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パッシブデザイン「光と風をデザインする」

-パッシブデザイン-

太陽光や風の流れ、雨水、地熱など自然エネルギーを、特別な機械設備を使わず建築的な技術や工夫で住まいに取り入れ、心地よい室内環境を目指す設計手法を「パッシブデザイン」といいます。

それに対し、エアコンや照明・換気などの機械設備で室内環境を効率的にコントロールするのが「アクティブデザイン」という方法です。

今の時代、都市部にて全く機械設備に頼らないというのは難しいですが、光風舎では効率よく太陽光や風を取り入れ、室内空気を循環させるなどして建物の躯体性能で温熱環境を考え、機械設備は補助として使う、パッシブでシンプルな住まいづくりを提案しています。

パッシブデザインの基本は、建物配置の方法、窓のサイズや方向、外部と内部との関係、断熱気密などの建築技術の積み重ねです。そして木や漆喰、和紙などの自然素材の効果的な使い方。日本の伝統的な暮らしの知恵や技術を再考し、高温多湿の気候に対して「冬暖かく、夏涼しい住まい」を目指す、建築思想や設計手法なのです。
パッシブデザイン


-太陽光の利用-

東京(北緯35度)の場合、夏至の太陽入射角は78°冬至は32°なので、その差は大きく46°となります。この入射角を利用し、窓の配置や庇の出寸法を調整してゆきます。夏の日差しを遮り、冬は太陽光を室内に取り入れることが開口部計画の基本となります。

窓周りは室内の温熱環境にもっとも影響を与える部分です。断熱・遮熱性能を持つエコガラスなどで、夏場の太陽熱を遮断し、冬場は断熱し、暖冷房の使用率を減らし、省エネルギーな住環境を考えます。

また夏の暑さ対策として、障子やルーバーによる日射調整、庭木や屋上緑化、蔓系植物によるグリーンカーテンから蒸発する気化熱なども効果的です。冬は窓から差し込む日射熱を、熱容量の大きな床や壁に蓄え、放熱させて暖房効果を得る、ダイレクトゲインという方法もあります。

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-風の流れ道-

住まいの中に「風の流れ道」を計画することもパッシブデザインの1つの手法です。 窓から風を取り込むことにより、室内空気が対角線上の窓から押し出されるという、圧力の差を利用した「風力換気」や、暖かい空気は上昇し、冷たい空気は下降しようとする性質を利用した「重力換気」。また室内空気を循環させ、各階各室の温度差を少なくする方法などがあります。

基本は、夏風通しよく、冬には冷たい風を防ぐ、室内温度ムラを少なくする。南、東側に大きな窓を設け、北、西には風抜きの窓を設けること。しかしそれぞれの建物には、地域による風の方向や隣家の影響など、敷地状況が通風に密接に関係してきます。住まいが建てられる環境を読み解き、AMeDASデータや風配図などを参考にし、配置計画やプランニングを考えてゆくことが大切なのです。

四季があり湿気の多い日本の風土、伝統的な住宅では坪庭や通り庭、無双窓など通風の工夫が積み重ねられてきました。受け継がれた工夫や知恵を再考し、現代の技術に取り入れることにより、エアコンや照明などの機械設備に頼り過ぎなくても、自然の心地よい光や風が感じられる住まいがつくれるのです。

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